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硫黄、奴隷 『華政』

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硫黄、奴隷  『華政』

録り溜めていたドラマ『華政(ファジョン)』を一挙に鑑賞。李朝15代王・光海君の妹で実在した貞明公主(ジョンミョンコンジュ)が主人公。とはいえかなりフィクションの部分が多く、幼い公主(公主とは中華文化圏における王女のこと)が奴隷として長崎の硫黄鉱山で育ち、朝鮮通信使に便乗して帰国。硫黄を原料とする火薬の知識がドラマの中盤〜後半に関係してくる。という荒唐無稽なストーリー。
韓国での本放送は二年前のことだが、当時韓国の雑誌に掲載された記事を読み、長崎の硫黄鉱山は軍艦島をオマージュにしているのではと思ったが、その後日本での有料放送とDVD発売が決まると、プロデューサーが「長崎の硫黄鉱山は軍艦島の意趣返し」と発言し、やはりと感じた。
日光江戸村でのロケなど、これまでにない日本文化の時代考証を再現している一方で、残念ながら長崎には硫黄鉱山は存在しない。どうしても長崎という場所で軍艦島と関連付けたかったのだろう。硫黄は火山の産物で確かに朝鮮半島では中朝国境に聳える白頭山くらいでしか産出しない。済州島の漢拏山では見た記憶がない。
火薬は紙や羅針盤(方位磁石)と並ぶ中国の大発明だが、その主原料となる硫黄は中国でも限られた地域でしか採れず、日本の室町時代には日明貿易での主要交易品であった。鎌倉時代の元寇(モンゴル侵攻)の際、鉄炮(てつはう=てっぽう≠鉄砲)という爆薬に武士は驚かされたが、日明貿易で中国が硫黄を欲しがる理由を知らないままで、種子島に火縄銃がもたらされ初めて硫黄の役割に気付くことになった。
その後日本では独自に火縄銃を開発し火薬を調合するようになるが(それでも火薬に欠かせない硝石は日本では産出せず人工硝石を工夫して作り出す)、朝鮮は朝貢する明国の指示で火器の所有が制限される。しかし明は衰退し、北方遊牧騎馬民族の金(女真族)が朝鮮・明の国境を脅かしだし、朝鮮としては、火器武装の必要性に迫られる。『華政』は正にこの時代が舞台で、火薬が常にキーワードになる。
余談だが多くの人が誤解していることに硫黄の匂いのことがある。テレビのインタビューなどで「硫黄のような臭いがした」と答えるが、実際には硫黄は無臭であり、火を点けても匂わない。温泉地の匂いも厳密には硫化ガスであり、火薬の場合には硝石の硝煙臭である。『華政』でも劇中、硫黄鉱石の匂いを嗅ぎ、「上物だ」などと語るシーンがあったが間違えた演出になる。


韓流ドラマ
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ハンサ(韓史) | コメント( 2 ) | トラックバック( 0)

ドラマ盛り上がり期ですね!画像の爆発シーンは感動でした!!
ところで人口硝石てどうやって作るのですか?

[ 123 ] 2017/02/09 6:07:57 [ 削除 ] [ 通報 ]

123さま、アンニョー。コメントをカムサです。えーとこれは「ひふみ」さんとお読みすれば良いのでしょうか?ここは韓国風に「ハナトゥルセッ」さんだと勝手に解釈させて頂きます(笑)
さて、そもそも天然硝石(小さな結晶粒で塊ではない)は水に溶けやすいので、日本のような雨が多い地域では土中に浸透分散して回収が難しいのです。地下に岩盤があり、それより下には浸透しない岩盤直上の地層を狙って掘り出します。
また硝石の主原料は動物油脂由来のアンモニアで、どこででも採れるわけでもありません。偶然一ヶ所に動物の遺骸が集中して埋まり腐敗し、一定期間を経て土中で化学反応で組成されるものです。周囲の土質によっては分解され硝石が生じないこともあります。
従って天然硝石捜しはまず動物の遺骸が埋まっていそうな地形を見つけ(つまり町中よりは山中の谷間など)、分解させにくい土があれば岩盤層まで掘り下げる、という行程が必要になります。それでも何トンという土を掘り出しても、そこから抽出できる硝石は数グラムと微々たる量なのです。土の中から硝石だけを取り出すために硝石を付着させる触媒も必要になります。
そこで人工硝石を作る工夫が各地で編み出されました。動物油脂由来アンモニアが原材料であることは知られていたので、あえて動物の遺骸を集めて埋め硝石を発生させるのが一般的でした。日本に比べ肉食文化が根付いていた韓国(李朝)では、肉処理過程で生じた遺骸は必ず回収することが義務でした。従って現在のように牛骨まで煮込んでスープをとるといったことは料理としてはなかったことになります。農耕用家畜や軍馬も働けなくなったものは回収していたほど。国によっては処刑された犯罪者や戦場に散乱した遺体を集中埋葬してまで人工硝石を作る努力をした例もあります。
ちなみに日本では合掌造り集落の世界遺産・白川郷での硝石作りが知られています。床下に穴を掘り、周囲の山で採れるセメント質の石灰を敷き、屋根裏で飼っている蚕の糞を集め、稗や蕎麦の殻と混ぜ、砕いた岩塩を触媒に撒き、家畜の尿を散布してわずかな硝石結晶を生産する秘伝の技法です。
なお現代は空間窒素固定法という科学技術で空気中のアンモニアを圧縮抽出して、そこから硝石を生成しています。

[ ペナンヨヘンシャ 배낭여행자 ] 2017/02/10 8:25:02 [ 削除 ] [ 通報 ]

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ペナンヨヘンシャ 배낭여행자
プロフィール公開中 プロフィール
ペナンヨヘン=背嚢(バックパック)旅行。十代での初訪韓以来四半世紀の渡韓歴。北朝鮮・中国朝鮮族・僑胞(在日)とも交流し、韓国人留学生を世話する。URLのパンナンは「放浪」のハングル。
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